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<<《サポーター》その他>>劣等感がぼくを極地へ駆り立てる
川添です。文藝新書『植村直己、挑戦を語る』のレビューを書きます。

登山や冒険に縁がない方でも、植村直己の名前は多くの人がご存知かと思います。
昨年3月、NHKで植村直己氏の特番が放映されました。恥ずかしながら私はそのときに初めて同氏を知ったのですが、彼の猛烈な生き方に胸をうたれたのを今でもはっきりと覚えています。おもわずテレビを見ながらアマゾンで本書を購入し、到着後85分で読みつくしました。
植村直己氏は、世界を代表する冒険家として有名です。日本人初のエベレスト登頂をはじめ、北極点犬ゾリ単独行や南極大陸の犬ゾリ走破などでまさに時の人でした。同氏は1984年2月12日、43歳のときに冬のマッキンリー単独登頂に成功し、下山途中の翌日13日に飛行機との交信を最後にその消息を絶ちました。
そして今日でちょうど丸24年になります。
植村氏は、自分が英雄と呼ばれることを何よりも嫌っていました。むしろ謙虚というより卑屈なまでの平身低頭ぶりです。
「自分はもともと落ちこぼれです」
「登山は劣等感から始めました」
「僕は超人ではなく一人の人間です」
本著は著名人らとの対談集であり、このように自分を卑下する言葉は対談の中でもたびたび出てきます。
それでもなぜ万人から尊敬され愛されたのか、若き日の石原慎太郎氏や五木寛之氏、当時ホームラン世界一に挑戦中の王貞治氏らとの対話を通じてそれを読み解くことができます。
王:
「あなたがどうしてそんなことをやるのか、一度聞いてみたかったんだ」
植村:
「王さんのやってきたことにくらべたら、ぼくのやってきたことなんか実につまらぬことです。ひとさまの前で、一般の社会の中では何もできないから、劣等感がぼくを極地へ駆り立てるようなものです。そして何でも体験してみて自分の技術にしていく。一万二千キロの旅で氷が割れてソリが沈んだときでも、意外と冷静でいられましたね」
これは王貞治氏との対話の一部です。
もうこれだけで植村直己という人間の本質をあらわしていますね。言葉ではなく体現実行する姿勢が大切であると感じました。
「あきらめないこと。どんな事態に直面してもあきらめないこと。 結局、私のしたことは、それだけのことだったのかもしれない」
植村直己が残した言葉です。
日々の生活と照らし合わせるとまだまだ自分を顧みる必要があります。
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