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川添です。
大橋照枝著 『満足社会をデザインする第3のモノサシ』を読みました。

本書は2005年に発行されたもので、日本の経済、社会、環境が縮小均衡していく中において、いかに「心の満足を確保して生きるか」をテーマに書かれています。
著者は、これまでの国の豊かさの指標であった「GDP(国内総生産)」というモノサシから、人の豊かさの指標である「HSM(人間満足度尺度)」へののパラダイムシフトを図るべきであるとの視点から、「持続可能な日本」へのシナリオを描こうとしています。
本書によると、HSMとは、GDPには組み込まれない、人間の幸福や満足、社会の持続可能性にとって不可欠な、健康、労働、教育、ジェンダー、環境などの多分野のデータを折りこんで出した指標だそうです。
ある調査によれば、日本のHSMの値は、途上国とされるあるいくつかの国のそれよりも下回っているそうです。著者は、今こそ経済拡大というモノサシからのパラダイムシフトが必要であると説きます。
著者の主張もうなずけます。
現在日本は、世界第二位の経済大国(GDP指標)ですが、国内では自殺者は年々増え続け、経済格差は広がりつつあります。実生活の中でも、社会全体がおかしくなってきたなと感じることも多くなりました。
前述の調査は2005年以前の話です。それから4年以上経った今の日本のHSMの推移は、推して知るべしといったところでしょうか。
本書の最後に、民俗学者で生物学者であった南方熊楠氏が、遺した言葉が紹介されています。
「すぐに儲けにならないものの中には、貴重なものがいっぱいある。生命の世界もそう、それに景色だってそうだ。今は景色なんて、なんの儲けになるかと思っているかもしれないが、それが今にいちばんの貴重品になる時代がやってくる。景色を護らなくっちゃいけない。その景色の中に生きている、生命の世界を金儲けの魔力から護らなくてはいけない」
ちなみに南方氏は、今から67年前の1941年に永眠しています。
大橋氏はこの言葉を、第3のモノサシの根源におきたい貴重な言葉だと述べて、本書における最後の締めくくりとしています。
私はこの言葉にふれた瞬間に心が揺さぶられました。
と同時にある事柄がふと頭に浮かんできました。
この続きは次回の投稿にゆずりたいと思います。
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