<<《サポーター》その他>>目標を実現する意志と行動力のバイブル
川添です。
土日を使い、かつてマイクロソフトのマーケティング・ディレクターであったジョン ウッド氏による著書『マイクロソフトでは出会えなかった天職』を読みました。
本書は、マイクロソフトでのキャリアや高い報酬、恋人まで手放して途上国の子どもたちに本を届けるNPO「ルーム・トゥ・リード」を立上げ、社会起業家として奮闘し苦難や葛藤を乗り越えて、数多くの功績を残すまでの軌跡を綴った本です。
著者があるとき、休暇をとって訪れたネパールの教育現場での厳しい現実を目の当たりにしたことが、新たな志をもつようになったきっかけとなりました。
自分がどの国に生れるかという偶然のせいで、字も満足に読めないまま一生を終える世界があるなんて、僕の想像を超えていた。僕は自分が教育を受けてきたことを、当たり前だと思っていたのだろうか。
著者は自分が幼少期によく本を読んでいたことから、まったく対極にある境遇の違いにおどろきます。当然、著者に限らず私自身の幼少時代の記憶と重ね合わせてみても、この境遇の違いを単に「運命」と一言で済ませてしまうのも、あまりにもやるせない気持ちになってしまいます。
本書を通じて、まず感じたことが、自分が今置かれている環境がとても恵まれているということでした。
途上国の教育問題の状況を、随所に数値でリアルで訴えています。たとえばネパールの非識字率は70%であり、これは世界でもとくに高いそうです。しかも成人女性の75%は、簡単な文章を読むことも書くこともできないという深刻な状況です。
国連の推計では、世界で読み書きのできない8億5,000万人のうちの3分の2が女性といいます。
著者は「この問題は自己増殖する」と、警鐘をならします。自己増殖というのは、つまり教育を受けていない母親は、子どもに教える知識が少ないがゆえに、女性が生み育てるすべての子どもに及ぶということです。
そこで彼は、「女子奨学金プログラム」を立ち上げました。その意図は、次の一文に示すとおりです。
男の子を教育することは、その男の子を教育することにしかならない。女の子を教育することは、家族全体とさらには次の世代をも教育することになる。
「ルーム・トゥ・リード」が、これまでに建設した学校は287校、図書館3540カ所、届けた本は140万冊(2007年6月現在)です。
ただただ凄いの一言です。
これだけの実績を作るには、多額の資金援助や人的支援が必要であることは容易に想像がつきます。
そのためには断然周りからの協力が不可欠であり、絶対条件として協力を要請するための営業力がなければ前には進みません。
くわしくは、本書第10章「営業のコツ」に譲りますが、マイクロソフトの営業現場を先導してきた著者でさえ、かつてない程さまざまな苦難を経験したようです。それでも絶対にあきらめない姿勢とその思いが、徐々に実を結んでいく過程がリアルに描かれています。とくに伝説の投資家と称されるビルとの交渉シーンは思わず息をのんでしまいました。
この本は、矢羽野薫氏による訳者あとがきにあるように、「目標を実現する意志と行動力のバイブル」です。
著者の持ち前のポジティブ思考と、マイクロソフトで培った決断力と行動力、そして自分がやらなければならないという強い思いが、世界中の多くの人を動かし、多くの子どもたちを救っています。
本書を通じ現実を知ることで、自分がいかに恵まれているかを痛いほど理解できました。また強い思いとあきらめない姿勢が人を動かすということも腹まで伝わりました。
最初から偉業を成しえることはできないが、文中「最悪の選択肢は、何もしないこと」という言葉にあるように、思ったらまず動いてみるというところから始まるのだと思います。
今日のニュースに、「なりたい大人が周囲にいないと考えている中高生は約5割」(青少年機構調べ)とありました。世界には勉強したくてもできない子どもが多く存在する中、恵まれた環境で育てられてきたにもかかわらず、未来を描けない子どもたち・・・。ちょっと将来が心配になりました。
が、悲観してもなにも変わりません。
ナレッジネットワークでは、学生の就職支援をはじめ、次世代リーダーの育成支援を行っています。ジョン ウッド氏のような「かっこいい大人」を育てていけるように、まずは自分が「かっこいい大人」になれるよう、示していきたいと思います。
Posted by 川添 祐樹 2008.06.29 23:49:54
|
コメントを読む(0)|
トラックバックを読む(0) |
コメントを書く
コメント