経革広場イベントレポート

経革広場から地域の情報発信を変えていく!全国ソーシャルメディア活用グランプリ

 

主催:一般社団法人日本中小企業情報化支援協議会(以下、JASISA)
日時:平成24年3月9日(金)16:30~19:00
場所:サンケイビル(東京都千代田区大手町)
協力:フジサンケイビジネスアイ、イノベーションズアイ、
Student Capital Union(以下SCU)と経革広場プロジェクト。

SCUでは、ほっかいどう経革広場ととうきょう経革広場の協力の基、北海道の起業家でいらっしゃいます石井和宏さんをお呼びして、

「失敗しない起業のオキテ」という講座の講師をしていただきました。
経革広場との繋がりをもって活動していく中、今回のイベントにSCUも参加させていただき「ソーシャルメディアの活用」について学びました。

JASIAが運営している中小企業の情報化促進ポータルサイト「経革広場」では、「経革広場ネットワーク」と称し、Facebookページを活用して47都道府県の地域版ページ、11の業種版のページから情報を発信しています。

各ページの情報発信を担当するのは、「経革広場」の趣旨にご賛同いただいた民間企業の経営者、社員の方たち、公的機関、NPOの職員、大学の教授、学生などの様々な業種、職種の皆様。それぞれが地域で、業種で連携し、それぞれの地域の情報や業種に関する情報を独自の視点で選び、解説を加えて投稿しています。

そして、Facebookの特性を生かして他地域で投稿された情報が自分の担当する地域にとっても有効なものであれば地域間でシェアし、さらに拡散を行っています。
連携することで、情報発信はもっと多角的に、もっと広く、もっと素早く展開します。まさに〝連携で作り上げる情報発信″が「経革広場」であり、この取組自体が「地域の情報発信のあり方を変える実験的なプロジェクト」です。
今回のイベントでは、JASIA事務局長の森戸裕一さんがこのイベントをファシリテートし、パネルディスカッション形式で進行していきました。

司会
平岡みほさん

ファシリテーター
森戸裕一さん

パネラーの方々
小島妃佐子さん
酒井秀夫さん
立入勝義さん
徳本昌大さん

また、今回はイベントの様子をUSTREAMで配信し、遠隔地の方ともうまく連携してイベントが進んでいきました。

オンラインミーティングでの参加(Webex利用)
さが経各広場の森本登志男さん
アメリカから審査員として参加してくださった松村太郎さん


各地域の経革広場の管理人の方が、様々な思いを持ちこのイベントに参加されていました。
ソーシャルメディアを活用することでどんな利点があるのか、また各地域に持ち帰ってどんな活用が出来るのかをみなさん模索しつつ、勉強しようという姿勢で参加していました。
キュレーターとしてどんな動きをしていかなくてはならないのか、考えていかなくてはならないという課題があるという話からスタートしました。

(※以下敬称略)

1.海外のソーシャルメディアの活用について

・ソーシャルメディアでは、アメリカのほうが2・3年進んでいる。というのも、意義やインパクトなどを細かく考えている国。いちいちソーシャルメディアをフューチャーする必要のないくらい浸透している。

2.地域SNSについて
・地域の情報発信はFacebookやTwitterなどのツールありきではなく、情報発信は地域を俯瞰してみるものなので、情報発信ということが先ず前提。また、地域SNSは地域として区切られている大きさなので、限られた世界の中ということで安心感はある。そしていずれはみんなが帰ってくる場所だと思う。また、アーカイブ性があるので自分の求めている情報を探し出すことが出来る。若い人たちが自分の地域に戻ってきて欲しいという想いもある。
・地方活性化について考えるともう少し考えて、SNSを活用していくべき。

3.地方との情報格差について
・地方は情報を受け取る機会が少ない。もらう機会が少ないのがデメリットだが、小さいということがメリットでもある。産学官連携プロジェクトなどは、やっていきやすい。簡単に話が進むので、濃密なコミュニケーションがとれるところはいい点である。
・佐賀県は小さい地域で行っているので、熱気・盛り上がり方も熱い。リアルなつながりがある。未来の広がりに、バーチャルなものではなくて、リアルなつながりが地域の場合は強かったりもしている。

4.若い方々との活用について
・若者もおじさんも同じ。会いたいと思っている人に発信していって、会いたい人に会いに行ける環境。若者はそのように活用している。自分がやっていることを情報発信することで、相手に気が付いてもらえる。いい情報を発信しているから、誰かと何か繋がっていける。
活用には3つのポイントがある。先ず、ストーリーを作っていくのと、写真や動画などを使う。次に、インフルエンサーやサーキュレーター(→キュレーター?)を味方につける。最後に連続性。これで、様々な人にリーチすることが出来る。

5.国境を感じない時代。距離感について
・英語については、テクノロジーの英語は当面出てきそうもない。今アメリカでは、プライバシーの問題が高まっている。プライバシーの問題で地元議員に押し掛ける程のレベル。インターネットがリアルの世界。みんなが当たり前。身近な情報を載せたくないというまでになっている。

6.Skypeなどの活用について
・活用して面接を行っていたりもする。アメリカと日本のSkype面接もある。

7.日本とアメリカでの活用の比較
・日本は日本で独自で進化している。アメリカとは違う進化の仕方をしているのでそれはそれでいい。

8.情報拡散の仕方、ロールモデルのない中で模索したことについて
・千葉県のSNSではすごくローカルな部分を担当していた。しかし、千葉県を全て把握しなくてはいけない立場に立った時、千葉を全体俯瞰するという意味で千葉を良く知ることができたのですごくよかった。
・自分の地域の情報を知ったうえで、発信。知らないと発信できない。発信しようとすると、結果的に自分の地域を良く知ることに繋がる。
・地域間で、お互いの人は知っていても、地域の事を知らない。地域でどんなことが行われているかを知れた。
・アメリカだと企業間の連携がある。お互いの情報を、「いいね」や「シェア」で活用している。しかし、自分の情報を発信するにあたって、他県の情報ばっかり載せるのもだめ。自分のウォールをうまくデザインしていくことが必要。また、問題になっているのは各自の意思で、興味があったらみようとすれば見れる。本人の意思の変革とソーシャルメディアは繋がっているもの。
・やはり意思の問題。東京でIT勉強しようとしたら、与えられる場。地方の場合は、自分で探す場。アイターンをするなら、東京の倍頑張らなきゃだめ。
・ツールは使ってみなきゃわからないもので、毛嫌いしていたら進まない。チャンスを逃してしまう。

・シンガポールでは、ラーメンの人気投票をソーシャルで行っていた。ソーシャルな世界は巻き込んでいけばいい。情報発信をどんどん世界にしていけばいい。

・結局いいものというのは、普及していけば受け入れられなかったものも見方が変わっていき、受け入れられるようになっていく。



9.教育分野へのタブレット型端末の配布について
・佐賀県では2013年度から県立高全てで導入する予定。

・アメリカでは、ソーシャル教育については進んでない。大学生以下の学生は、手を付けられなかった、小中学校のコストに関しても今削減していこうという考え。佐賀が羨ましい。去年頃から無料でどのように学んでいこうか、が話題。TEDのスピーチを、インターネットで簡単に見られるようにして学ぶ。大学の授業がポッドキャスト、iTunesで配信などの政策は行われている。リアルでそういう所に人が集まってくるし、地域に人を呼び込むことが出来る。そのような流れをインターネットで作っている。アメリカの今の教育は脆弱だが、インターネットなどでの解決を図っている。
・アメリカでは、個々が整備したり親が買い与えたりしている物を、日本の場合は行政が手助けしている。
・世界で初めてインターネットが繋がった大学にいた当時、コンピューターラボに行くとインターネットの設備が揃っていた。ITリテラシー教育は以前から進んでいる。小学生が、最新機器を持っているという例もある。
・キャンパスがないサイバー大学というものはどうだろうか。
・日本では情報をオープンにするのを嫌がる。アメリカでは、オープンにしてコンテンツを見て欲しいという態勢だが、日本は真似されてしまうものが多くて手の内をさらさない人が多い。
・バリューの問題。価格競争じゃない。地元の情報をアップしているだけじゃもったいない。写真のアップの仕方を変える。コミュニケーションを取りやすい体制をとる。反応してほしいんだというアピールをする。
・季節ごとのカバーページの変更だけでもOK。

10.各地域の管理人に任命されて
・最初は任命されて何すればいいかわからない状態だったと思うが、これからは管理人同士で連絡を取っていくべきだ。
・コミュニティーマネージャーをやっていてわかったことは、やる気がある人を任命すればいい。

11.コミュニティーマネージャーに必要なこと
・あきらめない人。やめない人。ソーシャルはバーチャルとリアルの融合というが、オンラインでも、オフラインでも連絡を取る事。
・挨拶ができる人。メールがはやく帰ってくる人。
・リアルなコミュニケーションが取れるか。違った意見があっても、見方を変えてつなげると新しいアイディアになったりもする。
マッチング能力も求められている。

 



12.オンラインかオフラインか
・組合の上に立つ人は、面白く人間的魅力がある。ただ、すぐにアナログになりたがるのが残念。若者がそこをサポートしていけばいい。
・Face to Faceで一度体制が整えば、オンラインでやっていける。仕事をうまくファシリテートしていくことが大切。
・簡単な言葉にして、シニアの方々も参加できるようになっている。リアルコミュニティを巻き込んでいって、どんどん大きくなっていく。
・アナログといってもコミュニティの世界。
・Facebookの招待は自分あてなのかどうか心配。やっぱりリアルで話したり、個別で誘っていったりしなきゃいけない。リアルのコミュニティがソーシャルだという認識が必要。

13.どこまで範囲を広げていくのか。業種や課題。
・異業種で話し合える環境は面白い。色んな企業の広報の人が集まるというのも面白い。
・課題の分だけFacebookページを増やしていければいいというように、簡単に取り組めるところがFacebookのいいところでもある。
・コミュニティが、どんな環境なのか、どんな状態なのか、を把握することが大切。
・よそ者が入ってこないと自分たちの勝ちが分からないという点に繋がる。

以上で、パネルディスカッションは終了しました。
パネルディスカッションでは、ソーシャルメディアをどのように活用すればよいかについてみなさんにお話ししていただきました。ソーシャルというと、顔の見えない繋がりのように思えますが、ソーシャル上のつながりはリアルの繋がりで、Facebookなどをうまく活用していけば地域間の連携に繋がるとのことでした。Facebookなんて使いこなせないと言って一線を引かずに、一度踏み込んでみればいい方向に動いていくものだと感じました。

最後に経革広場をうまく活用していた地域に対し、表彰が行われました。



優秀賞は、やまなし経革広場、製造業経革広場
最優秀賞は、さが経革広場

でした。

最後に、パネラーの方々から今回のイベントについて、今後の経革広場へのアドバイス等を含め、感想を伺いました。
・地域の食べ物がおいしいところを押していきたい。
・他の地域の事を学ぶことが出来たので、自分の地域も活性化させたい。
・地方の方言をキャッチフレーズにつかうというポイントがいい。
・動画が最大のコンテンツ。最大にシェアされていくコンテンツ。そこにコメントが入ったり「いいね」がついたりする事で活性化していく。
・若者と地域で連携を取っていくことをどんどん進めていくので、注目していってほしい(さが経革広場)。

今回のイベントに参加した47都道府県の経革広場の管理人の方々は、自分の地域のFacebookページをいかにブランディングするのか、が課題になりそうです。私たち、SCUとしても、Facebookページをどうブランディングして何を発信するのか、誰に見てほしいのか、誰と繋がりたいのかを明確にすると、うまく運用していくことができると思いました。また、それが私たちの今後の課題でもあります。

以上で、全国ソーシャルメディア活用グランプリレポートを終わります。

 

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