「技術革新が激しいからこそ、先の時代を読むことが大事」ドローンベース小郡に行ってきた!


こんにちは!NPO法人学生ネットワークWANの浅田です。
今日は福岡市から電車で約1時間ほどの、福岡県小郡市に来ています!
ここに何しに来たかというとー

小郡にドローン博物館があるから…!
私達WANでは、ドローンに関する取り組みを行っており、「その歴史を学んでみたい!」ということで小郡までやってきました!

◆WANが取り組んでいるドローンについてはこちら!
JDx drone

ラジコンやドローンを操縦するプロポが300台…!!


ドローン博物館こと、「ドローンベース」についた私達を迎えてくれたのは、多くのプロポ(コントローラー)たち。
「300台ぐらいあるかなー」と語ってくれるのは、このドローンベース小郡の管理人をしている勝野さんです。

勝野さんは、ものづくりに愛を持っており、40年以上ものづくりの現場の第一線で働かれてきた方。
今回その勝野さんに、私達大学生が気になる「ものづくりの今」について聞いてみました!

ものづくりが好きだったから、この世界に入った


ー(田中・富安・米澤)私達は現在大学生なのですが、就職先はどうしよう…と考える時期がありました。そんな中で、人生の大先輩である、勝野さんがものづくりの道に進んだ理由について聞きたいです!

(勝野さん)そうですね。
元々ラジコンにハマってて、それからものづくりに興味を持ったというのはありますね。

私が高校生のとき、友人の影響でラジコンを買ったんですよね。
当時は軽自動車が買えるくらいの金額がする趣味だったけれど、ちょうどその時プロポが最新型になっている最中で、模型店に中古が格安で大量に置いてあったもんで、買って始めたんだよね。

当時はまだのどかな時代でね、自衛隊の演習場の中で、ラジコンをバリバリ音を立てて飛ばしても大丈夫な感じ。笑
いっぱい落としましたけど、3ヶ月くらいしっかり修理してまた飛ばしていたねー。

夢中になって飛ばしていたラジコンを修理する中で、「ものづくりって面白いなあー」って思って。
あと親戚のおじさんがメーカー企業を経営していたというのも、大きく影響しているね。

ー当時の学生って、勝野さんのようにメーカーに進む人って多かったのですか?

いやーそんなことなかったね。やはり銀行マンのほうが多かったかなー。
ものづくりの道って、工場とかのイメージが強く、いいイメージを持っていなかったから、あんまり進んでいく人はいなかったかな。

ーそうなんですね!

今、日本のものづくりにおける優位性がなくなってきてる。

ーあまりいいイメージはなかったとは言え、当時の日本のものづくりって「ジャパン・アズ・ナンバーワン」と言われたように、世界から賞賛されていた印象があります。
実際そのように言われていたのですか?

そうだねー。20年前までは、世界から日本のものづくりはすばらしい!と言われていて、日本はものづくり大国として世界から評価されていたね。

ーやはり、そうなんですね。

ただ、その状況はここ10年で大きく変わってきたね。
私がいる会社はモーターの会社なんだけど、モーターというのは昔は日本が作っていた。だけど今は中国が90%のシェアを取ってる。

昔の中国産のイメージは、「安かろう悪かろう」だったけれど、今は違うんだよね。

リバースエンジニアリングといって、モーターを買ってきては、それをばらばらにして、デジタルスキャンをかけることで、同じものができるようになってきてる。

※リバースエンジニアリングとは
機械を分解したり、製品の動作を観察したり、ソフトウェアの動作を解析するなどして、製品の構造を分析し、そこから製造方法や動作原理、設計図などの仕様やソースコードなどを調査することを指す。

日本の先駆者がすごく苦労して作り出したものが一発でコピーされて、ぽっと同じやつが半値で出てくる。お客さんとしてはやっぱり安い方を使っちゃうんだよね、しかも性能がいい。

ー確かに中国のものづくりって、ここ数年でイメージがガラリと変わりましたね。
私達が活動しているドローンに関しても、中国のメーカーであるDJIが多くのシェアを占めていますね。

うんそうだねー。それはラジコンの歴史からみても同じことが起きているんよね。

というのも、ドローンはラジコンの延長として生まれたものでね。

それが今では、ジャイロセンサー(※回転や向きの変化を検知するセンサーのこと)やGPSといった、スマホに使われる技術が搭載されるようになって、もはや「空飛ぶスマホ」とまで呼ばれるようになった。

昔のラジコンの部品はアメリカのメーカーを日本のメーカーが淘汰していたけれど、今スマホに使われている部品って、日本ではなく、中国で作られていることが多いよね。

ラジコンではアメリカから日本に転換したように、今ドローンでは日本から中国へ転換している。

こんな感じで、今日本のものづくりにおける優位性がなくなってきてる。
だけど、日本はものづくりで成長してきたところもあるから、しっかり頑張っていかないといけないよね。

技術革新が激しいからこそ、歴史をしっかり紐解いて、先の時代を読むことが大事

ーそれでは日本のものづくりにおいて、ここは勝ち目がある!というところはありますか?

部品であれば、世界とまだやっていけるね。
細かい部品は実は簡単に真似できないからね。
世の中で発売されている商品は、リバースエンジニアリングですぐにコピーされてるけれど、部品はなかなかコピーすることが難しい。

今私も皆さんと同様にドローンに取り組んでいて、中国がシェアを圧倒するホビー用に入る隙はないかもしれないけれど、産業用なら自分たちにも勝ち目があると思っているから、やっているんだよね。

ーものづくりをやる中で特に意識していることってありますか?
市場がどんどん変わるから、開発の歩みを止めない、ということかな。
ホント、ものづくりの世界は技術革新が激しくて。

モーターを例にすると、以前CDプレイヤーを使っていたときは、CDプレイヤーにモーターが使われていたけど、今ではスマホで音楽が聴くことができて、モーターがいらない。
このように、電子化の普及でモーターのニーズが減ってしまっていて、世界最大のモーターを作る会社が倒産しちゃったこともあったり。

だからこそ、ものづくりって世の中の変化に対応していかないとやっていけない世界だね。

そこで世の中の変化に対応して、先の時代を読むためには、その時代の後ろ(過去)を見て、100年前からずっと紐解いていくことが大事。

今では、すごい技術を持った人が日本でも出てきているから、そういった若い世代が次のものづくりを担っていくことに期待しているし、ものづくりで常に一歩先の技術を持って、付加価値を高めて世界と戦っていってほしいね。

ーメーカーを目指す人にこそ、是非届いてほしいメッセージですね…
勝野さん、今回はありがとうございました!

今回のインタビューを通して、「世の中の変化に対応していかないとやっていけない」と言う言葉が印象的でした。
そんな時代に職業選択や価値創造を行っていく私達が、今後動くためのヒントを得ることができたので、今後のドローンの取り組みなど、さまざまなことにチャレンジしていきます!

WANが行っているドローンの取り組みについてはこちら!