学生時代に決断し、想像力を働かせながら組織で働く経験をしよう。~理事長インタビューPart3~

こんにちは!
WANスタッフの米澤です。
森戸理事長への3回にわたるインタビュー記事もいよいよラストとなりました!
Part3では、「学生時代にすべきこと」についても伺っています。

<森戸理事長インタビュー!>
前編はこちら!
NPO法人学生ネットワークWANは “これから「時代がどう動くか」で 組織の方向性を決める団体”である~理事長インタビューPart1~
中編はこちら!
知的好奇心を地方に向けて、行動してみよう。~理事長インタビューPart2~

“考えて行動できる人材”になれ

ー昔は東京と地方で情報格差があったと思いますが、今はそうでもないですか?

出回る情報量の格差はなくなりましたが、それを自分の中でかみ砕いて理解する能力はさらに格差がひらいているように思います。

地方の学生には、「こうやって行動したらこういう風になる」という、行動に対しての結果の“想像力”が欠如しているようです。
それは、学生たちの周りに勇気を出して行動して成功したという先輩が少ないからだと考えます。
東京には2、3歳上の先輩が会社つくっていたりと成功している人がたくさんいるので、「自分もできるのでは?」と行動への勇気をもつことができるのです。

だから、情報を得ることはできるのに「地方を離れることが先決なんじゃないの?」と考える学生が多く、先伸ばしではないですが、「休学してでも東京に行ってから考えればいい」、「就職して考えればいい」という決断を先延ばしする学生が増えた気がしています。

ー昔の学生と今の学生にはどんな違いがありますか?

昔は情報を何も知らないからこそ行動ができる学生が多かったですね。
ですが今は情報量が多いので、先に結論を出してしまう学生が増えました。

ビジネスって成功するまで粘り強く取り組めるかの勝負なので、多少は時間がかかっても最後まで粘った人間が結果を出しています。
失敗しても成功するまで続ければいいのに、一回失敗して「時間の無駄ですよね」「これやって意味あるんですか」とあきらめてしまうのはもったいないです。

プラスではなく、マイナスな想像力を抱きがちですね。

ーマイナスな想像力ではないですが、「今後忙しくなりそうなので…」と、WANの活動と学業やアルバイトなどの両立の不安に感じる学生もいます。

人間って、仕事ができるようになればなるほど忙しくなるものです。
「忙しくなりそうだから無理」では成長も止まってしまいます。

たとえば、60歳で定年退職するときに何も成し遂げてこれなかった人がいるとします。
なぜそんなことになってしまったのかを逆算すると、50歳で今無理するよりこのまま10年過ごしてもいいかなという妥協。40歳ではもう立ち位置が決まってしまっているという諦め。30歳では家を買い、20代後半になると結婚するからなどいった変化することへの恐れ。会社に入ったばかりの頃は、新人だからでしゃばった真似はできないという過ぎた遠慮など。結局、変化しない習慣が身についた学生は、ずっと言い訳を続ける人生になってしまうかもしれないと感じています。

日本にはそのように動けない人たちがたくさんいます。
そのような人は貴重な労働力ではありますが、指示を受けて動くという受け身の姿勢の働き方だからこそ「変化には弱い」と言われています。
WANに関わる学生にはそうはなってもらいたくないと思っています。

自分で仕事を探し、仕事をつくり、仕事の成果を出すプロセスを楽しんでいる人たちはビジネスパーソンと呼ばれています。
WANなどの活動に絡む学生の皆さんには仕事を楽しむビジネスパーソンになってほしいと考えています。

だから、学生時代にそのような体験をしていない人からするとアルバイトの方が楽ですし、NPOであるWANにフルコミットするなんて意味がわからないかもしれません。

「学生時代にNPOの活動などをやって意味あるんですか?バイトした方がお金もらえるじゃないですか?」と。

簡単な選択肢を選ぶという習慣が身についてしまうと、考えない社会人になってしまいます。
それはそれで生きていくことはできますが、WANに携わってきた学生には“考えて行動できる人材”になってほしいと思っています。

だから、学生時代に次世代を睨んだ仕事をつくり、成功体験をもった人材になる。
また、そういったプライドをもった人材を増やすきっかけを与える活動をすることは意味あることなんじゃないかなと思っています。

就活をする前に、組織で働く訓練をすべき

ーWANには基本的に卒業まで活動を続けることが前提としてありますよね。そういった「ある一つの取り組みを継続すること」に不安を感じる学生も多いのではないかと思います。

続けられるかどうか分からない人に対しては「まずはWANの活動を最後までやり遂げてはどうだろうか?」とアドバイスをします。
企業は自分で決めたことを最後まで続けることができる人材を欲しがっています。

本来「就活をすることができる」人とは、「自分が得意じゃないことや、嫌いなことでも最後までやり遂げることができます」と言い切れる状態になっている人です。

ー私も法人組織に属するということは覚悟して決断しないといけないことなんだなと、WANに入って気づきました。

学生NPOと言えども法人なので学生団体とはちょっと違うからね。
学生団体を批判するわけではありませんが、学生団体は参加するハードルが低いので覚悟して入るという意識はあまりもてないかもしれません。

一方で、法人は継続する為にお金を回さなければならないので、WANに入ることはきつい選択にはなりますが、決断する訓練ができます。
誰かに協力してもらいながらプロジェクトをまわすことで組織も学べます。
私は組織で働いたことのない人間が時期がいきなり就活をすることにものすごく違和感を感じています。
だからこそ、組織で働く訓練はするべきです。

アルバイトはそもそも組織に所属はしていないし、時間内に言われたことをやるので作業と言った方が分かりやすいかもしれません。

組織に貢献することを考える機会がWANにはたくさんあります。

WANというフィールドで、地域の垣根をリデザインしよう

ー最後に、WANのメンバーやこれからWANに加入する学生に求めることはなんですか?

「地方創生の取り組みの次は何が必要となるか?」を考えてほしいです。
今後、地方創生の取り組みが進んでいくと、成果が出ている地域と出ていない地域にさらに格差が広がります。この「地方間格差」をどのようにWANが解決するかということを考えてほしいです。

私は日本の47都道府県という行政区分自体が制度疲労してるのでは?と思っています。
だってアメリカはあんなに広い地域で50州でしょ?日本って狭いのに分けすぎだよね。
ただ、都道府県の合併は難しいと思いますので、WANが日本中にネットワークをつくって関係人口を増やし、新しい経済圏をつくってもいいのかなとも考えています。

地域の垣根をどうリデザインしたらいいか考えることって面白いと思いませんか?
たまたま生まれただけの地域を故郷やふるさとと名乗るのではなく、自分が関わった地域をふるさとや故郷にしていくという関係人口の考え方を活かして、WANではみんなのふるさとをつくるような活動をしていけると面白いなと考えています。

森戸理事長ありがとうございました。

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