【ミライロ仕事図鑑】株式会社えみの和

次世代を担う学生が、福岡という枠組みに囚われずに面白い取り組みに挑戦する企業を取材し、福岡商工会議所の会報誌「福岡商工会議所NEWS」の記事を作成する企画「ミライロしごと図鑑」。

本メディアでは会報誌にはおさまらなかった写真、インタビューを通して学生が得た気づきを紹介します。

7回目となる今回(会報誌10月号)は、株式会社えみの和さんを取材しました!

今月の取材先:株式会社えみの和とは?

『健康』『環境』『安全』をキーワードとして、「やまだの青汁」をメインに、現代人の健康維持や美容に欠かせない栄養補助食品・健康器具を販売。インターネット販売及び卸販売を中心として、1998年の設立後、福岡市博多区から全国そして海外へ事業展開を行っている。

今回取材に協力して頂いた方)株式会社えみの和 代表取締役社長 井上学さん

「日本、そして世界へ   『健康』と『笑顔』を届ける」

えみの和設立の経緯をお聞かせください。

えみの和は㈱エスアイホールディングス(SIHD)のグループ 会社で、同ホールディングスには国内4社、海外3社のグルー プ会社があります。国内には㈱えみの和、㈱クリッパー、㈱ トップラン、㈱日本スクラム会。そして海外には上海、香港、 ベトナムのホーチミンに会社があります。えみの和は今期で19 期目を迎えましたが、はじめは青汁の通信販売のみの会社でし た。ちなみに私は創業時の代表ではなく、もともとグループ全 体の上海・香港の代表をしており、8年前に日本に戻ってえみ の和の代表になりました。20年前というと一気に青汁が売れ 始めた時期で、我々も参入できるのではないかと思い、SIHD がサイドビジネスとしてえみの和で青汁の通信販売を始め、今 となってはそれが一番大きな事業となりました。

えみの和さんの健康食品の強みは何ですか?

えみの和の青汁「やまだの青汁」の最大の特徴は、よもぎが 入っているところ。よもぎは体を温める作用がありますし、よも ぎと聞いてネガティブなイメージを持つ人はいないので、国内で
はこの点をアピールしています。一方海外では、現在抹茶ブー ムが起きていて、抹茶が入っているお菓子がよく売れています。 だから海外では抹茶を推しています。また、粒子が細かくて、 すぐ溶けるという点を生かして、水だけでなくミルクや焼酎で割 る「えみ割り」という新しい青汁の楽しみ方を提案しています。 このような展開は普通の青汁とは異なる切り口だと思います。

「えみ割り」は若い人にも親しみやすそうですね。 海外展開のきっかけを教えてください。

もともと私が海外担当者だったということ、そして、日本は 大きなマーケットではありますが、今後の人口減少とそれに伴 う消費の低迷で「伸び」には限界があると考えたからです。ま た日本は世界的に見てもマーケットが非常に成熟しているため 大手企業も多く、中小企業が入り込むのは相当大変です。た だ、日本は素晴らしいマーケットなので、日本での事業を継続 して行いながら、新たな投資先として海外展開をすると良いの ではないか、と考えました。実は大学3年生のとき、学生起業 をして一度上海に会社をつくったのですが、大失敗してしまいま した。当時SARSが流行っており、中国に入国することすらできない状況で、久しぶりに中国に行った時には会社がもぬけの 殻になっていました(苦笑)。その経験から、「人」が大切だ、 私が今度海外で仕事をするときには「誰とやるか」を大切にしよ うと思いました。一番の教訓です。そうした中で、えみの和の 国内代表として帰ってきた時に信頼できる今の上海の社長と出 会い、市場規模が大きく成長のスピードが見込まれる中国に展 開することに決めました。

そんなことがあったのですね。 今後のえみの和さんの事業戦略をお聞かせください。

国内はローテクノロジーとハイテクノロジーの融合を推進して いきたいと考えています。今後、買い物というのはほとんどイ ンターネットで完結されるでしょう。しかしえみの和は通販の会 社でありながら、あまりネットが得意ではなくコールセンターと いうローテクな方法で展開してきました。そこで去年くらいから 通販でたくさん販売できるようネット利用に投資していて、今の ところうまくいっています。ですから国内では、インターネット で購入してくださったお客様に対してコールセンターでフォロー をしていく、という良い循環を作っていければと考えています。 海外では販売先の国やバイヤー、販売する商品数をさらに増や していくつもりです。

『「健康」「環境」「安全」をキーワードに健康食品を通して、ぬ くもりのあるお付き合いの中から皆様に“笑顔”というプレゼン トを差し上げたい』という言葉を掲げていらっしゃいますが、こ の実現のために工夫していることはありますか?

やはり電話とインターネット両方を用いるという点です。ご 高齢の方はインターネットを使わないので、電話でしっかりと 会話をすることになります。ただ、今後そのような方法を続け る会社は人件費の問題でどんどん少なくなっていくでしょう。だ からこそ弊社は電話での通信販売とフォローを強みにしていき たいと考えています。インターネットでの通信販売を今までやっ ていないことは弱みではなく、むしろ強みであって、それを生 かしてさらにお客様との距離を縮め、セールスやフォローを深 く行っていきたいと思っています。

お客様と丁寧に向き合う姿勢に感動しました。ところで、社長は 経営をされる中で、何かポリシーは持っていらっしゃいますか?

私は海外での仕事が得意で、日本人としてのポリシーを大事 にしています。海外に健康食品を持っていって販売する際には 小売業日本代表のような気持ちを持って仕事をしています。商 売の礼儀やルールなど日本人として恥ずかしくない振る舞いを 心がけています。「やはりあいつは日本人だな」と言われたいで す。昔からそうですが、本当に日本を思って日本のために世界 で戦っている人たちって日本国内にとどまっていないじゃないで すか。やはり最前線で戦っています。私もそれを実践していき たいですね。

なるほど! 社長ご自身の経験を踏まえて、経営者に求められ るものは何でしょうか?

行動力です。今の時代、何事も実際にやってみないと分から ないし、儲かりそうだと思うことはたいてい誰かが既にやってい ます。だめだったら早く辞めればいいし、良ければ伸ばせばい い。選択し行動して、伸ばすのか伸ばさないのかというのをスク ラップ&ビルドしてどんどん回していくことが必要だと思います。

社長のお話を通して、えみの和さんの事業には将来を見据え た井上社長の強い気持ちが反映されており、何事にも確固た る思いを持つことの重要性を改めて実感しました。物事に取り 組む際には、その意味を明確にしながら、取り組んでいきたい と思います。 井上社長、貴重なお話をありがとうございました!

学生インタビュアーの感想

WANメンバー園田映美音さん(九州大学1年生)

今やインターネットの普及に伴い、買い物の主流となりつつある通信販売。その通信販売に加え、えみの和さんの強みであるコールセンターによるフォロー体制こそ、お客様に最高の商品とサービスをお届けできる理由なのだと思いました。私が最も印象に残ったのは、日本人としてのポリシーを大切にする井上社長の姿勢です。自分こそ日本代表であり、”日本人として”仕事をする。今後、日本はますます、国内市場だけで生き残ることができる企業が少なくなる時代になると思うので、「海外の最前線に立つ」という意識は必要であると改めて実感しました。
そして井上社長のお話を通して、社長の「行動力」に非常に驚きました。大学生である今、私も様々なことに挑戦していきたいと思いました!

(取材の様子)

(えみの和の商品の数々)

(えみの和は全国・世界に笑顔を届けます…!)

井上社長、ありがとうございました!

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