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学生時代を豊かに過ごすための処方箋 ~WAN監事大木豊成さんインタビュー~

【お詫びと訂正】
本日(4/24)アップしました本記事のリンクに誤りがあることが判明いたしました。
大木様および関係者の方々、閲覧いただいた皆さまの混乱を招き、ご迷惑おかけいたしましたことを
深くお詫び申し上げますとともに、訂正させていただきます。
訂正
大木様の会社(イシン株式会社様)のリンク
正:http://ishin.jp.net
誤:http://www.ishin1853.co.jp/
今後このようなことがないよう、作業手順を見直し及び確認を一層徹底してまいります。
今後とも何卒よろしくお願い申し上げます。

こんにちは。NPO法人学生ネットワークWAN運営事務局です。
「僕たち学生は何を考えて前に進むべきだろうか?」
“人生の夏休み”と言われるほどたくさんの時間がある大学生。
多くの自由な時間をどのように使うかは、自分の将来に大きな影響を与えます。

そこで今回は、NPO法人学生ネットワークWANの監事でありイシン株式会社代表取締役大木豊成さんにお話をお伺いしてきました。


大木 豊成 さん

イシン株式会社 代表取締役。
大企業から中小企業、金融からアパレル、学校まで、幅広いスマートデバイス導入を支援している。アップル認定コンサルティング企業。
著書に、「iPad on Business」「ソフトバンク流『超』速断の仕事術」「ファシリテーターの道具箱(共著)」「あたりまえだけどなかなかできない37歳からのルール」「社員が出社しなくても仕
事が止まらない会社のつくりかた」がある。

行きたい大学がなかったから選んだ海外進学


-早速ですが、大木さんの大学生活について教えていただけますか?

私は日本の大学ではなくて、海外の大学を選びました。
理由としては大学進学を考えたときに「行きたいと思える大学」がありませんでしたし、当時高校生の私にはやりたいことが何もありませんでした。
ちょうどその頃、留学生を斡旋している会社の方に話を聞く機会がありました。そのときに父親が台湾との貿易会社をやっているという話をしました。そうすると、たまたまシンガポールから大学の教授が日本に来るから「会ってみるか?」となったんです。その教授は亜細亜大学の客員教授であり、日本人の奥さんがいらっしゃって、日本語も堪能でした。

-それで、お会いになったのですか?

はい。その方からお話をきいて、シンガポール大学への進学を決めました。
そのときは日本の大学と違って、入学が簡単で卒業が難しいというのを知らなかったのですが(笑)
進路の決断の決め手となったものは、そのときに会った教授がはじめて「日本を外から見ている人」だったということです。

-なにか学びたいというより、外に出て見たいということが一番大きかったんですね。

はい、「日本を外から見てみたい」ということが一番大きな理由でした。

-海外の大学というのはかなり勉強が厳しいと聞きますが、学生時代の経験で影響を受けていることはありますか?

私が大学にいるときは本当に死ぬほど勉強をしました。
シンガポール大学で学んでいた人たちは、「満点以外は特に価値がない」という考えでみんな勉強をしていたことに衝撃を受けました。
日本の受験勉強では、70点が合格点であれば70点を取る努力をすればいいと思われると思うのですが、彼らにはそんな「70点でいいや」といった考えがないんですよね。
本気で100点しか目指していませんでしたね。

しかし、本来この考えは社会に出ると当然なんですよね。仮に80点の仕事をすると、20点相当のミスやお客様の要望に答えていないことをしているわけで、これではお金をもらえませんよね?
100点を取る努力をするというのは今の仕事の仕方にも影響を与えていると思います。

さらにびっくりしたことは新学期の1ヶ月前に全員寮で勉強しているんですよね。
本当に全員勉強していた。
なぜ勉強をするのかと聞いたら「Because I am a student」と言われました。日本の大学のように、入学したらのんびりキャンパスライフを過ごせると想像していた私としては、衝撃を受けました。

-日本の大学生活とは全然違いますね。

私が大学のときはまだそこまで差が開いてなかったのですが、いま世界大学ランキングでは日本の大学より、中国やシンガポール、韓国の大学が上位にありますよね?
以前とある大学の授業で教壇に立つ機会があったのですが、寝ている学生がいて、これだとアジアとの差がつくのは当然だなと感じました。

-日本の大学生からすると、すごくハードな大学生活ですね。このなかでやり残したことはございますか?

私は中国文学を専攻していました。シンガポール大学では文系・理系も関係なく自由に聴講することができたので、興味関心のある授業を取れたことは良かったです。ただ、唯一心残りがあるとすれば、MBAの授業はうけていたのですが、MBAの資格を取らなかったことですね。その当時、アメリカの資格を取得としても仕方がないと思っていたので、うけるだけで終わってしまいました。今から考えると、もったいないことです(笑)

-そのほか、大学生活で印象に残っている面白いことはありますか?

授業の進め方が印象に残っています。日本の大学だと大きな教室で教授が話すという授業が多いですよね。シンガポール大学では人数が多いクラスでも15名ほどで、教授はファシリテーター(中立の立場で活動を支援する)の役割です。学生同士が中心となって議論する。そのため、教授の説明の途中に学生が黒板をつかって説明をしはじめて、「お前はどう思うか?」と学生から聞かれます(笑)
何も話さないという授業は一つもありませんでした。

もう新卒一括採用はやめた。その理由とは?


-続いて、現在の活動についてお伺いしたいのですが、大木さんが経営されているイシン株式会社では新卒一括採用をやめておられますが、その経緯を教えていただけますか?

いま新卒一括採用を辞めるという会社が増えてますよね?
同じタイミングで何十社も面接をして会社を決めるというのは、就職活動をする側にとっても採用する側にとってもナンセンスですよね。
入りたい会社に入ればいいと思います。
私の知り合いで慶応から東大の大学院を出で社会人になった人がいます。「世界で入りたい会社が一つだけある。それはAppleだ」と言って、本当にAppleに入社した人です。
Appleの面接があるときは「面接官より俺の方が詳しいと思えるくらい勉強した。だからAppleが入社を認めないはずがない」と言っていました。
そこまで考えて就職活動をしている学生は何人いるんだろう?と素朴に思います。

-残念ながらそんなにいないように思いますね。

それなのに「御社の福利厚生はどうなっていますか?」というような「会社に入った後のこと」を聞くというのは理解に苦しみます。
特に小さいベンチャーの場合、もし足りないものがあるのであれば、努力して売り上げを創って、稼いだお金で使うように訴えたらいいじゃないですか。

-そうですね。会社は何かを与えてくれる場というより、一緒に創っていく場ですよね。

この稼ぐという話と関連して、学生と話をしていると「お金儲け=汚い」という考えを持っている人が多い印象があります。
お金がないとご飯も食べられないですし、いま学生が通っている大学にもお金が必要なんですけどね。

-「お金がないなかでどうするかを考えるのではなくて、お金を獲得したらカルロスゴーンや孫正義も講演会に呼べる!」とWANの森戸理事長が以前学生におっしゃっていたのをいまでも覚えてます。

実際にプライベートでもお金があったほうが選択肢は広がるし、プロジェクトや仕事においても予算があったほうが、当然できることは多いですよね。

-はい、そのとおりと思います。実際にプロジェクトや何かしら動かないと、学生時代に「稼ぐ」ことの大切さというのは気づけないかもしれません。

このような人たちを一括で採用しようとしてもそもそも価値観が合わないし、採用をして価値観を合わせていこうにも時間がかかるということで新卒一括採用は辞めました。
新卒の採用を辞めたわけではないのですが、「一括」で採用する意義はもうないかなと思います。

-確かに一緒に活動をしているベンチャーの企業の方からも同じような声を聞きます。

実際に当社において新しく入った社員はほとんど知人からの紹介です。
紹介してくれる人は知人なので私が何を求めているのかもわかっています。本当に人材紹介会社など使うより100倍効率がいいですよね。そういった会社に払うお金よりも、紹介してくれた知人に、お礼をお渡しするほうがいいと思います。

働くとは人生そのもの。だからこそ遊びも全力でやる


-大木さんは「人と会社を元気にする」をモットーにされていますが、それはなぜですか?

昨今の「ブラック企業」という言葉はあまり好きな言い方ではないのですが、ブラック企業にもいろいろタイプはあると思っており、そのなかでも社員が楽しそうに働いている会社があります。

人が元気でないと会社は元気にならない。また会社が儲けるためには、人が元気である必要があるというシンプルな理由があるからです。ここでいう「元気」というのは会社としてはしっかり利益が出せてきちんと税金を納めていて、社員に利益が還元されているという状態です。

人が元気というのは、冗談が言い合えて笑顔がでるような状態のことをいいます。
お客さんと接している仕事だと特に、接している本人が元気じゃないと、楽しくも働けませんし、お客さんを喜ばせることなんかできませんよね。
疲弊している社員から「いい仕事しますよ!」って言われても誰も信じないですよね。(笑)

-大木さんにとって人生のおいて「働く」ということはことはどんな位置づけですか。

自分が経営者ということもあるかもしれませんが、働くというのは人生の全てですね。
働くことは自分の会社でのことをいうのではなくて、地元のお祭りの世話をするのも「働く」だし、言い方は変かもしれませんが遊ぶことも私にとっては働くことです。
だからこそ、働くことはできる限り楽しみたいですよね。
いま定年退職という制度がありますが、定年になっても働けるんだったら働いたらいいと思うんですよね。
実際に日本は少子高齢化が進んで、働かないといけないという状態になってきています。
年収1000万ほどもらっていた人が定年後に、就く仕事がないからバイトのようなことをやるのではなく、ITをつかってその人の専門性を活かせるような仕事ができるようになったらいいですよね。

-大木さんが楽しむということ以外に働く上で心がけていることはありますか?

少し前のIT業界では、エンジニアの中に「一人で仕事をしている」という意識の人が多かったように思います。しかし、本来は一人で仕事を完結するということはないですよね?
システム開発では要件定義といった上流から運用といった下流の工程がありますし、もちろんお客さんもいますし、社内でも関係する部署がありますよね。
仕事を渡すときに「受け取りやすい状態にして渡すこと」はすごく心がけています。具体的には相手の理解度やレベルにあわせて適切な言葉で説明をするということです。

-どうしても学生だと覚えたてのカッコイイ言葉を使ってしまいがちかもしれません・・・

IT業界では初期設定のことを「デフォルト」と言います。業界が変わって金融業界での「デフォルト」は債務不履行の意味になります。
仮に金融業界のお客さんと仕事をするときに「デフォルト」という言葉をいきなり使うと、IT業界の人とはリアクションが全然違うと思います。
そういうお客さんがどういう言葉をどういう意味でつかっているのかというのは意識しますね。

-価値を提供してしっかりと稼ぐためにはこのような心がけも必要なんですね。

「Give and give and giveだ!」大木さんに大きな影響を与えた孫正義社長


-大木さんがかっこいいと感じる社会人は誰でしょうか?

私自身今は経営者でもあるので、一緒に働いた元上司のことを「社長」ということはあまりないのですが、孫さんだけは、いまでも「孫社長」と呼んでしまうほど圧倒的に影響を受けた方です。
孫さんは、英語でも日本語でもものすごくわかりやすい言葉を使う人なんです。
2001年のラスベガスで、はじめて人前で話をしている姿を見ました。
90分間の話を聞いた後に、その場にいる人たちがスタンディングオベーションをしていたことに驚きを隠せませんでした。そこで拍手をしていた人たちは、孫社長が話しはじめるまで孫さんのこと知らなかったのに、です。今は有名人になりましたが。
そのときにはじめてすごいなと思いましたね。
一緒に働いているときも細かいところまでチェックするこだわりをふくめて、多くのことに影響を受けました。
判断に迷ったときには、「孫社長だったらどう判断するのかな?」と自分で考えるときもありますよ。「これは男らしくない!」と言いそうだなとか。

-孫社長から言われて印象的な言葉はありますか?

社長のよく言っていた言葉印象的なのは「Give and Give and Giveだ」という言葉ですね。

-Give and Takeじゃないんですか?

はい、違うんです。
情報交換しましょうよっていう人いませんか?
そういう人が情報を持ってくることってないですよね。(笑)
なにか様子を見てカードを隠しているような。
本当の情報交換というのは、
テーブルの上に自分がGiveできることを複数だして、相手がGiveできることを複数だして、「これとこれをくっつけてやろうよ」ということだと思うんですよね。
「すべてのことに理由がある」といつも社員は言っています。ただお客さんから言われたからやるというのはだめでそういう風になっていたら注意をします。
もちろん、わからないからできないという状態になる社員もいるというのは理解しています。そういうときは、状況を言ってもらったら、整理します。
すべてのことに意味があるので、一つ一つ説明できるというのは非常に大切なことですよね。

-確かに学生での活動で前からやっていたからという理由だけで同じことをやっているというのはあるかもしれません。

意外かもしれませんが、全体を理解をしてプログラミングをしているプログラマーって、意外と少ないんですよね。サンプルコードをいじって何がどうなるかわからないままやっている人もいる。でも、プログラミングって言葉なので一つ一つ意味があるんです。
昔、中国のアリババの技術本部長と仕事をすることがあったのですが、そのときは技術本部長が自分たちのソースコードを見せて技術本部長自身が説明をしていて、本当にすごいなと思いました。

仕事の目的を知ることが仕事を楽しむ第一歩


-仕事を楽しくする工夫と働き方について教えていただけますか?

仕事の目的や理由を理解することに尽きます。
よく「ローマの石切職人」で言われているよう、
生活のために石切職人をしているという人もいれば、村一番の石切職人になると答える人もいますし、安らぎの場となる素晴らしい教会を造っていると答える人がいます。
同じ仕事をしているのにですよ。このなかで誰が一番仕事を楽しんでいるのは、最後の方なのではないでしょうか?

こうやって仕事を進めていくとお客さんのことだけを想像するのではなくて、お客さんが想定していない先の先まで想像をして仕事をすることになります。そういうことができるからお客さんが当社お仕事を依頼していただける理由の一つとなっています。

お客さんからすると同じ値段で仕事を依頼するのなら、当社に依頼したほうが「わかってくれてるし、お客さんのことを理解した提案がくる」からなんですね。
この記事を読むような人たちはただ作業をする人たちではないと思います。
だから仕事の目的や理由を理解をして、お客さんが使ってどうなるのか?という先のことまで想像するということを意識してほしいですね。

15年前はいまやっている仕事はなかった。わからない未来のほうが面白い


-ここまで大木さんの学生時代から仕事に対するこだわりを中心にお伺いいたしました。
大木さんが今目指していることはございますか?

自分が65歳になったら、自分たちと同じ歳や上の人たちを集めて会社をつくりたいと思っています。すごくスキルや専門性があって新しいことをするのが苦手な人がいたとしても複数人集まればできることをあると思いますし、何よりも働かない人を減らしたいという思いがあります。ともすると、年金をもらってもしょうがない、と思えるくらい稼ぐというのいいですよね。

IT系の仕事だと通勤する必要もないですし、家にいながらリモートでも働くこともできます。好きな場所で好きなだけ働けますよね。

-具体的に何をするかって決めていらっしゃるのですか?

15年前はいま当社でやっている仕事ってなかったんです。
こんなにスマートフォンが当たり前になるってだれも想像していませんでした。
なので、いまはない仕事になることしか決まっていないですよね。ただ、わからないほうが面白いからいいですよね。

いろんな人に会い、たくさんお本を読み、目の前にある選択肢以外に気づけ!


-最後に「学生のうちにこれだけはやってほしい!」ということ何でしょうか?とその理由について教えてください。

「Because I am student」なのに、まずは勉強をしっかりやって、何を学んでどう考えてどう活かしてきたかを話す学生がすごく少なかったという印象が採用の仕事に携わっていたときに感じました。
学生なのでまずはしっかり勉強をして勉強で学んだことをベースに、どんなことを考えどういう行動をやってきたのかという話ができるようになってほしいですね。
大学の勉強というのはこれまでやってきた勉強と違って社会に役立たない勉強もあると思います。役立たないからやってはいけないわけじゃないです。そういう分野でも好きなら没頭してやったらいいと思います。
採用の時も何かに没頭できる才能があるから、こういう部署が良いよねというイメージも湧いて判断もできるようになります。
就職するという選択肢だけじゃなく、起業という選択肢もあります。目の前にあることがすべての選択肢ではなくて、それ以外の選択肢に気づいて考えていける人が、将来活躍できる人かもしれませんね。

だからこそ、いろんな人の話を聞く、たくさんの本を読むことが大切です。

ネットでも情報は調べられるのですが成功した情報しかのっていないですよね?
実際に会って話をきくことで、どうすると失敗するのかということも学ぶことができますよ。なにかアウトプットするためにはインプットが必要なので、いろんな人にあって多くの本を読んでほしいですね。

-WANの活動を通じて本当に多くの人の話を聞いて実行できる場があるんだと痛感しています。大木さんお忙しい中お時間いただきましてありがとうございました!


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